こんにちは。
今回の電気工事は「接地抵抗試験」について
電気工事において非常に重要な工程である接地抵抗試験ですが、特に改装工事のような現場では測定条件が整いにくいという理由から測定環境で誤差が生まれるため信頼のできる接地抵抗試験の結果が求められます。
本日は岡山県玉野市でおこなわれている、家具店舗からホテル兼レストランへの改装現場での接地抵抗試験についてお伝えいたします。
ホテルとレストランの改装現場で三端子方式で接地抵抗試験を実施
接地抵抗試験では測定器が示す数値そのものが重視されますが、その値が本当に信頼できるかどうかは、“どこで、どう測定したか”によって数値の正確性が変わってきます。
理想的な条件で行えば問題なく見える試験でも、改装現場のような所ではでは状況がまったく違います。
すでに壁やできてきていたり設備が立ち上がっていたり、資材置き場や仮設の囲いが測定ルートの妨げになることも多々あることで基本通りの測定環境を再現するのは簡単ではありません。
地面の状態によっては、柔らかい砂であれば打ち込んだ電極が浮いてしまったり、乾燥していて測定数値が安定しないこともあります。
さらに、現場内では他の職人が作業をしているので、通行のたびにケーブルがずれたり、避けなければならなかったり、もしくは電極に触れてしまう恐れもあるため、安全確保のための細かい配慮が欠かせません。
ケーブルの配置や電極の設置場所を守るには、他業種と綿密にコミュニケーションをとりながら、作業場所を確保するために時間帯の調整や作業順序の工夫が必要になります。
一見地味に見える工程ですが、正確な試験結果を得るためには、測定環境そのものを整える力も重要な工事工程です。
現場を見渡して読み取り判断する能力により設置抵抗試験の精度を良くする
一見まともに見えるスペースでも、地面の状態まで問題がないとは言い切れないことが多く実際にスコップを入れてみると地面が締まっていなかったり、ガラが混ざっていたりすることもあります。
そうした場所では、電極が安定せず、測定値もブレやすくなるため注意が必要となるので「どこに打てばまっすぐに配置できるか」「地面の質は測定に適しているか」といった点を、過去の現場経験から感覚的に読み取っていくことがとても大切になります。
「このタイミングで測定しても問題ないか」という判断も、その場の周囲状況を見ながら下す場面が多くあるので現場を見渡し、測定可能かどうか判断する力を経験の積み重ねとして発揮させて測定試験を実施する必要がありました。
静かな測定環境を作る為には休憩をずらしてでも時間調整を惜しまない姿勢
改装現場の状況によっては、静かで安定した測定の環境を整えるために、他の職人の作業と重ならないよう事前にコミュニケーションをとって作業場の調整を行います。
測定環境や条件を整えるため、必要であれば昼休憩をずらして１日のスケジュールを組み直すことも多々あります。
なぜそこまで慎重に進めるかというと周囲の電気機器の稼働や無線設備の影響で、測定器がノイズを拾い測定値が不安定になったり本来の値から大きくずれてしまうことがあるからです。
そんな状態では正確な判断ができないのはもちろん、試験そのものの意味も薄れてしまう可能性が高くなるので信頼できる接地抵抗試験の結果を残すため、私たちは現場の状況を細かく見極めています。
どこなら静かに測れるか、いつなら影響が出ないかを考えながら測定場所とタイミングを決めています。
周囲への配慮を忘れずに一回一回の作業を確実に行っていくことこそが、見えないところで安全を支えている重要なことだと意識しています。
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