こんにちは。
今回の電気工事は「CVケーブル更新工事」について
繊維製品の色味を自然光で正確に判断するため、古い繊維工場には「のこぎり屋根」と呼ばれる構造が多く採用されています。
天井の斜め窓からは長時間にわたり直射日光が差し込みますが、その利点の裏で、窓際に配線されたCVケーブルには紫外線による劣化が時間とともに進行して行きます。
今回は、見た目には気づきにくい「自然光による配線劣化のトラブル」に対応するために行った、更新工事の実例をご紹介します。
自然光が活かされた繊維工場で発生したCVケーブル劣化への対応工事
繊維工場は、製品の色味を自然光で確認するため「のこぎり屋根」構造が採用されていることが多く、天窓からは常に直射日光が差し込んでいます。
その結果、窓際に配線されていたCVケーブルには長年にわたって紫外線が当たり続けることで被覆が変色して硬質化やひび割れが進行してしまうことが多くあります。
ヒビ割れや劣化が進行した場合見た目には分かりにくいですが、絶縁不良や発熱のリスクを含む危険な状態になってしまうのでトラブルが起きる前に対策を考えなければなりません。
放置していれば絶縁不良や異常発熱につながり、電源が遮断してしまうと製造ラインの停止といった重大なリスクを招く可能性もあるので早急な対応が必要となります。
稼働を止めずに行うCVケーブル更新工事の確実な段取りと安全作業
まずはケーブルの状態を目視と電圧測定によって確認してからどの範囲を交換するべきかを明確にした後に、工場の稼働スケジュールと調整を行い稼働に影響が出ないタイミングで作業を段取りします。
劣化した既存ケーブルを慎重に撤去し、代わりに耐候性の高いケーブルを配線すると同時に、直射日光が当たる窓際には直射日光対策としてPF管の中をケーブルを通して同じような劣化が起こらないよう配慮しました。
また固定には全候性の結束バンドを使い、高温多湿な工場内でも長期的に安定した状態を保てるように丁寧に施工していきます。
触れただけで割れるくらい劣化していたCVケーブルの衝撃の現実
現場で配線を確認した時に驚かされたのはCVケーブルの被覆がまるで乾燥した落ち葉のように、軽く触れただけでパリパリと割れてしまうほど脆くなっていたことです。
屋内でここまで深刻な紫外線劣化が進行するのはあまりみたことはなかったのですがパッと見た感じではここまでの劣化が進んでいることは想定できませんでした。
「のこぎり屋根」の斜め窓からの日差しが一点に集中する構造だったため、まるで温室のような環境がケーブルにダメージを与え続けていたと考えられます。
さらに、繊維工場ならではの製造中に使われる蒸気や高温環境も重なり工場内上部は非常に暑くなっていたことで、予想を上回るスピードで劣化が進行してしまったのも印象的でした。
再発防止のための遮光、配管、固定までのこだわり抜いた職人の施工判断
この工事では、単なるケーブル交換だけで終わらせても再発する可能性が高かったので再発を防ぐ施工に強くこだわりました。
配線ルートを見直し、日差しが直接当たりにくい位置への変更や、どうしても避けられない箇所には遮光性・耐候性に優れたPF管を活用して熱や光の影響を抑える工夫をしています。
またケーブルの固定も全候性バンドを用い、経年劣化に耐えるための耐久性を高める工夫を徹底しています。
さらに、現場では「この位置なら照明の影になるから温度が上がりにくい」といった判断を繰り返しながら、細かな部分にまで配慮を欠かさないようにします。
現場の状況や環境の特性を読み取り、“この先も安心して使える状態”を整えることを意識した施工を心がけました。
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