図面だけでは測れない現場対応力が問われる埋め込み型RPR設置工事

こんにちは。

今回の電気工事は「埋め込み型RPR設置工事」について



太陽光発電の「自家消費型」への切り替えが進む中、既設のキュービクルを改造してRPR(系統連系保護リレー)を新設する工事が増えています。


その中でも、視認性や操作性の向上を目的に埋め込み型のRPRが選ばれるケースが増加しており、現場ではこれまで以上に見た目・機能・安全性のバランスが求められるようになりました。


しかし、図面上でうまくいっているように見えてもいざ現場で施工を始めてみると寸法のズレや既設設備との干渉など思わぬ壁にぶつかることがあります。


この記事では、そうした“図面通りにいかない”現実に対して、どう判断し、どう仕上げるかという現場の対応力にに加えてズレへの対応だけでなく今後の運用のためにする工夫も書いています。



埋め込み型RPRを選ぶ事で外観が綺麗だけでなく操作性と点検効率が高まる


RPRは、異常が発生した際に太陽光発電側からの送電を遮断し、電力系統を保護する重要な機器です。


これまでのようにキュービクルの内部へ収納する方式に比べ、最近では操作パネルの上へ埋め込む設置方法が増えてきました。


その背景には視認性や操作性といった運用面でのメリットがあり、表示ランプや試験ボタン、警報表示などを盤面に一列に整えて配置できることで異常発生時の状態をパッとみて判断できることがあります。


どの系統がトリップしたか、異常はどこでなのかや試験動作が正常かといった情報を、盤の前に立って見た瞬間に把握できることは大きな利点です。


また、他のメーター類や保護機器と並べて設置することで視線の移動が最小限となることで操作の流れがスムーズにでき、日常的な点検や切替作業の際も迷わず判断できるため効率のよい運用につながります。


照明が暗い盤室や屋外キュービクルの中でも整然と配置された機器は状態が把握しやすく、夜間作業や非常時のトラブル対応にも強さを発揮します。


さらに、扉を開けることなくRPRの状態確認や操作ができるため、点検中の感電リスクや誤操作の心配も軽減されるので安全性と利便性を両立できるこの構造が、埋め込み型が選ばれている大きな理由です。



図面にない“数センチのズレ”が現場を止めかけたが柔軟な判断で乗り越えた


ある現場では、事前に設計されたRPRの寸法に合わせて盤面の加工を済ませていたにもかかわらず、いざ機器が届いて確認したところ思わぬ問題が発生しました。


届いた製品は、メーカー側の仕様変更により、端子台のサイズがわずかに大きくなっており、数センチの違いとはいえ既存のパネルと干渉してしまって設計通りの位置にはどうしても収まりません。


加えて、配線の取り回しや扉の開閉にも支障が出る恐れがあり、現場には「このままでは取り付けられないかもしれない」という空気が広がりました。


とはいえ、ここで工事を止めるわけにはいきません。


まずはRPR本体を盤に実際に当ててみて、干渉している箇所を確認して既設機器とのわずかな隙間を探し、“逃げ寸法”を見つけることができました。


機器の配置を数センチ単位でズラして見直すことで、必要なスペースをなんとか確保すると同時に、他の機器や配線の取り回しにも手を加えながら干渉せず収まるよう盤内全体を再調整しました。


本来であれば設計変更をかけて図面を引き直す選択もありますが、現場でその場で対応できる柔軟さは、工程を止めずに済む大きな強みです。


図面にない“現場で判明したズレ”をその場でどう判断するのか、そういった経験の積み重ねによって発揮できる柔軟性を持った現場を支える職人の対応力がとても大切です。



ズレに対応するだけでなく安全に運用するために工夫をかけて仕上げる


今回のように、設計図と実物にズレが生じたとき、どう判断し、どう収めるかという対応力は確かに重要ですが「見た目さえ整っていればそれでいい」という話では決してありません。


たとえばRPRの設置位置を数センチずらすことで干渉を避けたとしても、そこで新たにできた隙間や配線の角度が、放熱や絶縁距離の確保に影響を及ぼしていないかを確認します。


内部配線の引き回しひとつとっても、被覆が無理に曲がっていないか、他の機器と交差して熱がこもりやすくなっていないかといった細部に目を配る必要があります。


「その場だけの正解」ではなく、「数年後も支障なく使える状態かどうか」を想像して施工することが見えにくい安全のほころびを未然に防ぐための重要な考え方です。


図面に描かれた寸法をただなぞるのではなく、現場の状況に合わせて安全に使える形に仕上げていく工夫が設備全体の信頼性を支えています。



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