新しい工場が動き出して、初めての点検を迎える時期は、どこか落ち着かない気持ちになるものです。大切な設備を長く安全に動かすために、日頃からどのような視点でお手入れや見守りをしていけば良いのか、優しく寄り添う視点でお伝えします。
屋外のケーブルを日差しから優しく守る
日差しの強い場所に配置された受電設備の周りを見渡すと、外気に触れる太い配線が目に入ります。「外にあるケーブルは、毎日強い太陽の光を浴びていて大丈夫なのかな」と、ふと心配になる瞬間があります。
太陽の光に含まれる紫外線は、長い時間をかけて配線の外側にあるカバーを少しずつ硬くさせていく性質を持っています。そのままにしておくと、表面が白くなって細かな傷が入り、やがて中の芯を守る力が弱まってしまうことにつながります。
外側のカバーが傷んでしまうと、雨の日などに水が中に入り込みやすくなり、工場全体の電気が突然止まってしまうような事態を招くことがあります。現場を預かる立場としては、そのような大きなトラブルはできる限り未然に防ぎたいものです。
そこで、直射日光がしっかりと当たる場所や、設備への引き込み口付近には、あらかじめ日光を遮るためのテープを重ねて巻いたり、保護用の管を被せたりしておきます。これだけの手間で、配線は守られて、毎日の安心感が大きく変わります。
大切な機械を電気のトラブルから守る漏電ブレーカー
工場の内部に進むと、たくさんの電灯やオフィス機器をつなぐための分電盤が静かに佇んでいます。「万が一、電気の流れが偏って機械に強い電気が流れたらどうしよう」と、機器の体調を気遣う方も多いです。
一般的な設備では、3本の線を使って効率よく電気を運ぶ方法が使われていますが、このうちの真ん中の線に不具合が起きると、電圧のバランスが大きく崩れてしまいます。普段は優しく動いている100V用の機械に、突然大きな負担がかかってしまう状態です。
こうした急な電圧の変化から大切なパソコンや機械を守るために、最近の主幹ブレーカーには白い細い検知線がついています。この細い線を配線の端へと丁寧につなぎ込むことで、異常な電気の流れを素早くキャッチして電気を止めてくれます。
新しく電気の使用を申し込むときにも、この安全を守る機能がついた製品を選んでいることがとても大切な条件になっています。これからの稼働を支えるためにも、しっかりとこの機能がついた製品を選んで、綺麗に施工をしておきます。
空からの突然の電気を安全に大地へ逃がすアレスター
季節の変わり目や夏場になると、空が暗くなり、突然の激しい雷雨に見舞われる日が増えてきます。「近くに大きな雷が落ちたとき、工場の中にある高価な変圧器や電気の機械は大丈夫だろうか」と、空を見上げるたびに不安がよぎります。
雷が近くに落ちると、電線を伝って信じられないほど大きな電気の波が、一瞬にして建物の中へと侵入してこようとします。この急激な電気の侵入を入り口でしっかりと食い止めて、建物の安全を守ってくれるのがアレスターという装置です。
この装置は、普段は何事もないように電気の通り道の脇で静かに待機していますが、大きな雷の電気がやってきた瞬間にだけ、その通り道をパッと開く性質を持っています。これによって、恐ろしい電気は建物の中に入ることなく、地面へと逃げていきます。
雷の電気をスムーズに地面へ逃がすためには、受電設備のいちばん入り口に近い場所にこの装置を配置することがとても大切になります。また、電気を地面にしっかりと染み込ませるための、基準に合う確実な接地工事も合わせて行います。
日々の丁寧な見守りが工場の心地よい毎日を作ります
新設されたばかりの工場は、どの設備も新しくて綺麗ですが、だからこそ最初の時期から丁寧な視線で見守ってあげることが大切です。「毎日何気なく見ているキュービクルだけど、こうしてポイントを整理すると見る目が変わるね」と感じる方も多いです。
普段から設備の状態を優しく観察していると、ほんの少しの変化や、いつもと違う様子にも自然と気づけるようになっていきます。電気主任技術者さまのその温かい眼差しこそが、工場で働くすべての人たちの安全な日常を支える一番の力になります。
今回は、屋外の配線のお手入れ、分電盤の安全な機能、そして雷から設備を守る配置について、隣で語りかけるようにお伝えしてきました。これから重ねていく日々の点検が、工場にとって優しく心地よい時間になることを心から願っています。

