キャビネット再利用で安全性と効率を両立したキュービクル改修工事

こんにちは。

今回の電気工事は「キュービクル改修工事」について



キュービクルの更新工事というと、「すべてを新しく入れ替えるもの」と思われがちですが、実際の現場では外装であるキャビネットをそのまま活かし、内部の機器だけを入れ替えるケースも多くあります。


今回ご紹介するのは、キャビネットを残すことでコストと工期を抑えながら、安全性と作業性を両立させたキュービクル改修工事の実例です。


本文では、施工当日の工程や、再利用を選んだからこそ得られた現場での発見、そして寸法や納まりにこだわる職人の技術までを詳しく書いています。


「残す」という判断が、単なる妥協ではなく、価値ある選択であることを感じていただける内容となっています。



キャビネットを活かしてコストと工期を抑えたキュービクル更新工事


今回の工事は、既設のキュービクル内部の機器が老朽化し、遮断器や計器類の交換が必要となったことをきっかけに実施されました。


特に一部の高圧機器は、すでにメーカーの保守対応期限を過ぎており、安全性と信頼性の確保が急務でした。


一方で、外装であるキャビネットには目立った劣化はなく、構造や塗装状態、設置基礎まで含めて健全な状態が保たれていました。


設置場所の制約もあり、キャビネットごと交換するには大型クレーンの手配や通行止めの調整が必要となるため、施工の難易度も上がります。


そこで今回は、キャビネットを残しつつ内部機器を一新する方針を採用することでコストや工期の負担を抑えながら、安全性と効率性を両立した改修工事が実現しました。



1日で終えるために事前準備と現場対応を徹底した更新作業の流れ


工事当日は、休日に合わせた計画停電のもと作業を実施しました。


まず始めに、高圧受電設備の安全確認と遮断器・CT・PT・母線の絶縁抵抗測定を行い、問題がないことを確認した上で電源を遮断します。


既存の遮断器・計器類・母線などの主要機器を慎重に取り外しました。


キャビネットを残すことで、既存の構造や配置に合わせながら施工を行う必要があり、施工ミスを防ぐためにも詳細な寸法確認と段取りが不可欠でした。


その後、新しい高圧遮断器(VCB)や保護リレー、避雷器、CT/PTなどを干渉のないよう配置し、母線も加工し直して納めました。


配線完了後には、絶縁抵抗・耐電圧・保護協調試験を行い、安全性を確保した上で復電を実施します。


キャビネットを残したままでも、1日で完工するためには準備と現場の柔軟な判断力が欠かせない工事でした。



“残す”という選択が情報と作業性の両面で価値を生んだ現場の発見


今回の工事で印象に残ったのは、「キャビネットを残す」という判断が、結果的に非常に良い選択だったという点です。


再利用を前提に調査を進めた際、キャビネットの内部空間に以前施工した職人による手書きのメモや記録が残っていました。


それには母線の通電ルートや配線経路、当時のトラブル対応履歴などが丁寧に記されており、今回の更新工事でその情報が大いに役立ちました。


また、キャビネットを残すことで、内部の空間に余裕があることが活かされ、母線の交換や機器の配置もスムーズに行えました。


もし外装ごと入れ替えていたら、既設配管との位置ズレや配線の引き直しが発生し、工期が延びていた可能性もあります。


蓄積された設備の知見と、使い込まれた構造を活かせることこそ、キャビネット再利用の大きな利点であると実感できた現場でした。



寸法と放熱にこだわり美しく納める職人の手仕事が信頼を支える


内部機器を総入れ替えしながら、キャビネットを残すという前提のもとで作業するには、寸法精度と施工の工夫が特に求められます。


とくに母線の取り回しでは、既存の穴位置や支持金具に合わせつつ、新しい機器に対応させるため、現地での微調整が不可欠でした。


職人は事前に現地で詳細な寸法取りを行い、母線の曲げ寸法を現場で調整しながら施工します。


限られた空間の中でも、キャビネットを活かしつつ、放熱や絶縁距離に配慮した美しい納まりを実現しました。


さらに、締結部にはトルク管理を徹底し、試験前の段階からすでに「長く安全に使ってもらうための品質管理」が始まっています。


残されたキャビネットの中に、新しい技術と細かな気配りを収めることこそが、今回の職人の手仕事に込めたこだわりでした。



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