こんにちは。
今回の電気工事は「幹線ケーブル増設工事」について
幹線工事における現地調査の重要性、ケーブルの延線方法、機器への接続の注意点、そして最後の試験では施主様立ち会いで行います。
幹線工事にはルートの有無が最重要ですので必ず現地を確認すること
幹線ケーブルは機器の電源となるケーブルですので硬く頑丈、そして重いです。
ですのでそれなりに強度を誇るルートの作成が必要になります。
ルートの有無を確認するために工場の竣工図を確認する必要がありますが、できれば現地に出向き実際に確認することがベストでしょう。
なぜなら、図面に載っていない設備やレイアウト変更などで生産機器の配置が変わっていたり施工するにあたって干渉してしまう物があるかもしれないからです。
上記のような施工管理者や施工者が現地に出向き確認を行うことを現地調査といいますが、現地調査が終わればどのような形のルートを作成するか検討を行います。
一般的に行われるルート作成はケーブルラック、電線管、またはケーブルを生で壁や天井に固定する方法です。
幹線を延線するには機械で行う方法もありますが、やはり人力で行うほうが多いです。
どちらの場合にもケーブルラックのほうが延線はやりやすいです。
ルートができたら実際に延線を行います
ケーブルのサイズや長さにもよりますが人員配置は最低でも3人は必要です。
適切な配置により効率的に延線を行います。
通常幹線ケーブルはぐるぐる巻きになった状態で納入されます。
延線するにはぐるぐる巻きになったケーブルをドラムローラーやジャッキといった物を使いその場で回転させてケーブルを延ばしていきます。
その際の人員の配置はぐるぐる巻きのケーブルのそばに1人、延ばしていくケーブルの末端に1人、それらの中間地点に何人かいる状態になります。
ケーブルはただ引っ張ればいいという物ではありません。
ケーブルを押し出す人とケーブルを引っ張る人の息が合わなければうまく延線することができません。
そこで重要になるのは掛け声です。やり方としては「せーの!」と大声を出すか無線機を用いるかですが、無線機を用いたほうが疲労が少なく済みます。
機器への接続を行います
延線が終われば機器に接続するためにケーブルの長さを整え、端子を取り付けて接続を行います。
そして最後に試験をして送電を行います。
延線が終われば機器に接続するという流れになるが、ケーブルは通常丁度良い長さで注文が難しく、実際は計測した長さの1.1倍~1.2倍くらいは余裕をみておきます。
なぜならケーブルが短くて接続できないよりは長い箇所を切ったほうが早いからです。
機器に接続するためにはケーブルの末端に端子をつけるのですが、端子にも様々な種類があり、事前に機器の接続箇所の形状を確認するのも重要です。
そして最後は試験を行います。
試験の種類は導通試験、絶縁抵抗測定試験、電圧確認、検相確認があります。
どの試験も電気主任技術者や施主様の電気担当者が立ち会って行うこともあります。
また、送電実施も施主様がブレーカーの操作を行うこともあります。
幹線ケーブルを延線するためのルート作りが最重要です
元々あるルートが使えれば工期の短縮につながります。
また、延線は人数さえそろえば割と早く終わりますし、機器の接続は機器や分電盤一面に対して一人でしか作業できないため、延線終了時の整線と同時進行で行えば効率よく作業することができます。
新築間もない工場であれば将来を見越したルートはあると思いますが、年数が経過した工場にはない場合もあります。
そのルート作りが一番時間がかかるのかもしれません。
また、延線の場合も段取りに時間がかかりますが、実際の作業はそこまで大幅に時間がかかるというわけではありません。
延線が終わればケーブルラック上のケーブルが既存のケーブルを圧迫していないか、交差していないかなどを確認しながら整線作業を行います。
また、延線したケーブルが動かないようにインシュロックで捕縛していく必要があります。
それと同時進行で他者が機器の接続を行えば効率よく作業を終えることができるということです。
単に幹線工事と言っても、高所作業車が必要な場合であったりケーブルの接続など有資格作業が多岐にわたり専門的な知識が必要です。
また、一歩間違えれば高所からの転落、感電といった重大な事故に繋がることや、それらの安全対策について墜落制止用器具の使用や通電箇所の周知などの提案も行ないます。
どこにどのような危険が潜んでいるか見極める必要があるのでこういった作業は電気工事会社でなければ行えません。
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